森田童子研究所

●「森田童子を支持する会」会報表紙

●会員証表（左）と裏

●「森田童子を支持する会」会報2～3頁

●会報「狼少年」
　森田童子のレコードパンフレットに「森田童子を支持する会」の入会案内があった．内気で引っ込み思案だった犬のしっぽであったが，さっそく入会した．入会案内では季刊誌「地下室」が年４回送られてくるはずであったが，会報「狼少年」が１回送られてきただけだった．当時は騙されたのかと思ったが，今，考えれば森田童子の活動自体が終わってしまったのかもしれない．

サイン色紙

　ワーナー・パイオニアから出たＬＰにはサイン色紙が「おまけ」として付いていた．薄っぺらの色紙で，インクの載りも今一つの本当に「おまけ」という言葉がぴったりとくる．でも，私にとっては宝物の一つなのである．

　「きみはぼくを見つけてくれるかなア　
愚かな日々に埋もれてゆくぼくを」
「ぼくを見つけてくれないかなア」の中に
「誰か　ぼくを見つけて　くれないかなア」という詩がある．けれども，その詩の最後は「誰か」ではなく「きみが　ぼくを見つけて　くれないかなア」なのである．

「ただ自堕落におぼれてゆく日々に，ひとりここちいい」　
私の一番好きな「憂鬱です」の中の一番好きな詩である．楽しいこと，嬉しいことを求めがちな現代の中で，私は「ここちいい」が一番好きなのである．そして，それが「自堕落におぼれてゆく日々に」に対してであり，しかも「ひとり」なのである．

レコードジャケットのサイン
　昭和56年4月20日（月）岡山市の市民文化ホールでのコンサート後にサインしてもらった．　６時開場，６時３２分頃からコンサートが始まった．童子は深いグリーンのジャケットに，白の綿パン，そして黒のサンダル．春爛漫のときには何色にも光る紙吹雪がきれいだった．アンコールで２，３曲歌ってくれた．コンサートが終わって，サイン会があった．サインしてもらうときは，のすごくドキドキして，手も震え，たどたどしい口調で「これからも頑張って下さい」と言うのが精一杯だった．
　握手してもらった．あの温かいやさしい手は忘れられない．
　でも，昨日のサンデーベスト（前日，岡山の山陽放送ラジオの番組にゲストとして森田童子は出演している）とは打って変わって冷たい表情だった．でも，好きだ．コンサートの中で童子はときどき手話を使って話す．その話の中で心に残ったのは女性写真家の話であり，童子の「意志を持って，何でもやることは素晴らしい．でも，最近，意志を持って行う事の難しさがだんだんわかってきました」と言う言葉だった．（その日の「犬のしっぽ」の日記から）